R.Feynkidの
ぶやき

体外離脱をしてみた

 2011年12月13日朝、電波時計の目覚まし音が鳴った。しかし、起きられない。ここの所、うまく眠れず、朝が辛い。そうして留まっていると、恐らく、二度寝というやつに突入したのだろう。
 玄関のドアの鍵を開ける音がする。今日は、午後には、親が来る予定であったのだが、それにしても早すぎる。まだ、こちらは寝ているのだ。にしても、私も起きない(笑)。なぜ? 泥棒だったらどうする(笑)。ドアは開き、両親(なぜ判る?)が入って来て、廊下と言えるのかどうかという短い廊下を歩いている。私の寝室はスルーだ。
 私はその時、右を下にして、横向きに寝ていた。背中で何かがうごめいた。明らかな生物的なものに感じる。骨格があり、尚且つ、肉がついている感触だ。背中でも解った。それは、一瞬だった。一瞬で終わった。次の瞬間には、背筋に寒気が走った。見ると、布団がズレていて、背中が丸出しだ。寒気というより、寒いのだろう(笑)。布団をズラして、寒くならない様にした。
 まだ、両親がウロウロしている様な雰囲気だ。そして、母が寝室に入って来て、私の頭と背中を抱きかかえて、少し起こした。私に何か言ったが、覚えていない。すると、居なくなった。
 依然として、私は、右を下にして、横向きに寝ている。耳鳴りがしてきた。「ギーン」という(ふうにしか、言い表せない)、低周波から、高周波まで幾重にも重畳された音だ。ほんのしばらくすると、足の先から、腰にかけて、まるで、足の先にロープでもつけられて、滑車で一機に引き上げられるかの様な、感覚に襲われた。弓なりである。そのまま、ゆっくり、振幅は少なく、上下に揺られる。しかし、耳鳴りと、弓なりで、ちょっと不快だ。

 実は、私は、つい先日、"体外離脱体験:坂本政通著"という本を読んだ。だから、「これは体外離脱(幽体離脱?)の前兆に間違いない」と思った。そこで、「体をよじってみろ。って書いてあったなぁ。やってみるか。」と、妙に冷静に、チャレンジしてみることにした。頭から、ゆっくりと、仰向けの体勢になる様に、よじってみる。全然無理。硬くて無理。「無理しちゃいかん。とも書いてあったなぁ。振幅を大きくしろ。とも書いてあったなぁ。ちょっと止めて待ってみるか。」と、力を緩めたら、残念、すーっと、全てが引いていった。耳鳴りもフェードアウトし、足腰も、ゆっくりと、下に下ろされた。

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 夢なのかもしれない。いや、とりあえず、夢なのだろう。本も読んでいて、体脱とやらの前兆とやらを、知っていて、話しがミックスされたのかもしれない。途中、何回か、見ている感覚があったので、何回かは、少なくとも、仰向けに寝返りをしているはずだが、意識が、現実(?)になった時には、やはり、右下の横向きで、布団も、ズレていなかった。ズレていても、おかしくはなかった。普段でも、寝ていて、寒いと思って目覚めると、布団がズレている事が、しょっちゅうである。起きた時に、腰とお尻が、少し筋肉痛の様な感覚があったのだが、すぐに和らいだ。もしかしたら、この少痛(?)が、弓なりの感覚の原因だったかもしれない。

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 それにしても、良い体験(夢)だった。私は、夢の中で、自分の意志が働いた事はなかった。現実の知識を活用して、「やってみるか。」という事など、私にとって、あるはずがない出来事である。また、これが、所謂"金縛り"というものだとすれば、私は、なった事がなかったので、これまた、有意義である(笑)。
 更には、「未知のエネルギーなんて、我々が勝手知ったる物質でできているバッテリーと、相互作用なんてしません。そんなんで寿命が永久になるなんて、ある訳ないでしょう。」と、詐欺師と対峙する様な「科学万能っ!」の私が「これは体外離脱の前兆に間違いない」と、体をよじって、体脱にチャレンジするという、滑稽極まる状況が、醸し出されてしまった事だ(爆笑)。誰にも見られていないにもかかわらず、この気恥ずかしい事態を、自らの黒歴史に飾らざるを得ないというのは、暗愚、且つ、滑稽である。これほどまでに、その状況に飲み込まれるとは、脳というのは、危うい存在である。葬式に行けば、無条件に手を合わせてしまうのに似ている。
 また、体験してみたいものである。眠気? すっかりすっ飛んじゃって、この文章のほとんどを、一気に書き上げちゃったよん。

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追記:次の日も…

 2011年12月14日朝、トイレに起き、ベッドに戻って、時計を見ると、午前3時39分だった。それから、どれくらいが経っただろうか、どこからともなく、ピーターバラカン氏の軽妙なDJが聞こえてくる。全部日本語だったのだが、内容はわからない。ちなみに、日本語以外の言語だったら、あの独特の言い回しと、雰囲気が伝わって来ないので、彼とは、認識できなかっただろう。彼の熱狂的なファンという訳ではないが、InterFMでのDJを、たまに聞いていて、好きなパーソナリティーの一人ではある。だが、なぜ彼が選ばれたのかは、謎である。
 ほんのしばらくすると、彼のDJはフェードアウトし、猛烈にフェードインしてきたのは、耳鳴りだ。今度は、ゴボゴボ・ガバガバという、まるで、不意に水の中に落ちてしまい、もがき苦しんでいる時の音(?)の様に思えるものだ。
 すると、同時に、仰向けで寝ていた私の両足が、フワッと上がり始めた。重さが無いかのごとく、軽やかに、そして、間髪を入れずに、腰までもが上がってきた。次いで、腕も、少し上がっている気がする。
 またしても、冷静な私がいた。但し、「科学万能っ!」の私はいない(笑)。「昨日は、無理に体をよじって、失敗したからなぁ。今回は、ちょっとだけ、よじってみて、無理ならすぐに止めて、振幅を大きくする事に専念しよう。」そう思い、少しだけ、よじってみる。全然ダメ。なので、振幅を大きくする事に集中してみた。頭が低い体勢なのが、少し不快だが、耳鳴りの方は、気にならなくなっていた。だが、少し揺ら揺らしたところで、足も腕も、スッと下がってしまい、大きな進展の無いまま、残念ながら、終了となってしまった。

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 朝起きる時に、腰が痛い。すんごく痛いという訳ではないが、少痛(?)である。だが、私は基本的に、腰が痛くなる事が、ほとんど無い。風邪を引いた時に、体中の痛い関節のひとつとして、腰が痛い事は、もちろんある。しかし、今回の事象とは、別ケースと言えるだろう。で、今回も、すぐに痛くなくなるのが面白い。
 あの耳鳴りは何なのだろう? 健康診断でも、高血圧や低血圧を指摘されなかったので、この線は無いだろう。耳そのものが異常ならば、普段から、何らかの不便のひとつもありそうなもんだ。
 特筆すべきは、2日連続な事である。たとえ、これが単なる夢であっても、私は、同じく似た様な夢を、連続で見ることは、今まで無かった。自分が、夢に参加して、コントロールしようとする事も、昨日まで無かった。根拠は無いが、何かが違う。ちょっとワクワクしている自分がいて、期待感(?)があるから、違うと感じてしまうのかもしれない。害は無さそうだし、楽しみにしていよう。

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追記:頭のシビれと共に…

 2011年12月23日朝、まだ、暗い。目が覚めた。正確には、目だけ覚めているのだと、後で判るのだが…。
 今回も、右を下にして横向きに寝ていた。なぜか、両手の手のひらを見ている。すると、何かに包まれる様に、親指を除いた、4本の指が、折り畳まれ、手は拳にされた。間髪を入れずに、今度は、頭(脳?)が痺れ始めた。頭が痺れるなんて、聞いたことも、なった事も無い。頭が痛いなら、散々経験してきた。しかし、痺れに、痺れているのである。強烈な痺れなので、耳鳴りは感じられないのか、どうだったか、分からない。
 次には、恐怖がやって来た。枕が私の頭を、布団が私の体を、包み込んだのである。ポルターガイスト状態だ。私は、恐怖のあまり、体をくの字に曲げ、意味も無く、抵抗してみた。やはり、全く意味が無く、私は、冷静さを失っていた様だ。で、ちょっと矛盾がある。体をくの字に曲げたので、尻が布団から出た感触があるのだ。布団だけは、もう、包まり、絡んで来ないのか?
 忘れていた事が起きた。上半身が、ほんの10cm?、20cm?程度、浮いたのである。「えっ? こんなんで(体外離脱する)かよっ。」率直な感想だ。だから、すぐに、頭が枕に包まれていようが、頭が痺れていようが、恐怖は遠退き、冷静な私が、戻って来たのである。もちろん、「科学万能っ!」の私はいない(笑)。
 今回は、上半身なので、頭や肩の付近を、意識的に持ち上げてみた。だが、すぐに、私の体に戻って(?)来てしまう。これで終わりと思いきや、もう一度、浮き上がった。それに乗じて、また、頭や肩の付近を、持ち上げてみるのだが、今度こそ、私の体に戻った(?)きり、すっかりと、体が(目が?)覚めてしまった。

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 夢の中の、金縛りなのか? それなら、それで構わないが、たとえ、夢であっても、頭(脳?)が痺れたのは、初体験だ。布団の中の私は、右を下にして、寝ていた。そして、布団から尻は出ていなかった。だが、猛烈に疲れていた。風邪のひき初めのダルさに似ている。朝の目覚めとしては、かなり酷いが、頭の痺れという貴重な体験(夢であっても体験なのか?)ができた事は、ちょっとうれしい(←ばかぁん)。だが、どうにかならないものだろうか。この不快感を伴う事が。

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(C)2011 Richard Feynkid