R.Feynkidの
ぶやき

ポルシェが曲がんない

 別に「ポルシェは欠陥だぁー。」と言う訳ではない。
 以前、と言うよりは随分前に、テレビで、手足が不自由ではあるが、レースに燃えている人を紹介していた。その人は、なんとポルシェで参戦なのだ。大抵、レースはお金が掛かるので、安い国産車、しかも『もうボロッちい車』を、必死にレース仕様に仕上げて、走るものだ。草レースは…ね。スカイラインGT-Rなんかは、もう十分に「ズリーよなぁ、あれ。」という領域に達するのに、ポルシェだ。凄っ。ポルシェなんて、普通に乗っていても、壊れれば『松コース』しか存在しない、恐怖の修理費用が掛かるのに、よりによってレースとは…。改めて凄っ。
 いやいや、そんな話しをするつもりではないのだ。番組中では、実際に走っている場面や、コックピットの様子などと、いろいろな話しを聞く事ができた。その中で、気になる話しがあった。どうやら『左コーナーに弱い』らしいのだ。実際の走りでは、確かに左コーナーが曲がりづらく、大幅に減速して走っているので、一緒に走っているフィアット・パンダ(!)に、コーナーでブチ抜かれているのだ。レース場の摩擦の高い舗装に加え、フロントが軽いとは言え、あのブッといタイヤだ。簡単に曲がる訳ない。もちろん、コーナーを抜ければ、大排気量の利を生かして、簡単にパンダをパスできる(笑)。
 うーん、何とかならないもんかな、と思っていた。そこで、彼の状態を考えてみる。私の記憶では、彼の両足は力が入らず、ペダル操作は無理であった。よって、アクセル・ブレーキは、左腕での操作だ。そして、両腕の力は入るものの、握力は無いので、握るという動作はできない。だから、ステアリングに、フォークリフトなんかについている、グニッと握ってクルクルできるハンドルをつけて、それに右の手首を固定して、ステアリングを切っているのである。そのハンドルのついている場所は、写真Aの赤丸がしてある、だいたい2時の所だ。しかし、これでは、左に切る場合、『押しハンドル』になってしまい、余計に力が入らない。右には『引きハンドル』なので、力が入りやすいのだが、残念ながら、いまいちに見える。そこで、写真Bの方法を提案したい。
ポルシェのステアリング ポルシェのステアリング

 こちらでは、ハンドルの位置を、だいたい10時位にしてみた。実は最初に、9時の所で良いと思っていたのだが、それでは、右には大きく切れるが、左の切れ角は小さくなってしまう事に、気がついた。引く事ができるのは、せいぜい5時の位置位までで、9時の位置からスタートすると、片寄りが出てしまう。すると5時の位置に、ほぼ対極にある11時の位置となるが、ここからだと、左に切る時に、引きづらいのだ。で、少しばかり妥協して、10時の所なのだ。実際にやってみると、左右どちらに切ろうとしても、引きはじめる事ができる。
 ただ、姿勢が悪い! 正直、これでドライブをする気にはなれない。が、レースでは、少し位辛いのは、仕方がない。元々安楽なものではないのだから、がんばってもらうしかない。曲がれないよりはマシだと思う。
 ここで、「そんな事よりパワステつけろよ」とか「もっと安楽な車を選べよ」なんて、声が挙がるかもしれないが、「べらんめぇ、うるせぇーやい」である。ポルシェ乗りはポルシェだからいいんだ。パンダで出ている人だって、パンダで出たいんだ。きっと。レースなんだから、車が遅くなる要因になる物は、取っぱらうんだ。最近のプロ箱車レースより、よっぽどスポーツって感じがするじゃないか。
 と言う訳で(何が?)、ヨタ話しとしてでも、大きなお世話かもしれないが、参考にしていただければ、幸いである。

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(C)2004 Richard Feynkid