「ルテイン」視力回復劇薬?
ヘンな物好きの方は、2003年11月に改正景品表示法が改正された事は、もうご存じとは思うが、「未知」「神秘」「開運」だけではなく、「高性能」「ダイエット」「健康」物に関しても、根拠がなければ、不当表示となる事になった。ユーザーの体験談だけでは、ダメという、結構厳しいものだ。それだけに、広告の作りも、ピリピリしたものになると思いきや、そうでもない。そこで、視力回復健康食品(?)の登場だ。ただ、私は、ひとんちの商売の足を引っぱる気は、毛頭無いので、商品そのものに関しては、伏せておくし、これの効果の程に関しては、一切うんぬんしない。もしかしたら、視力回復の為に、本当に良い物かもしれない。
さて、商品は問題無さそうなのだが、私がひっかかるのは、写真の体験者役(?)のおばさんだ。とりあえず、イヤかもしれないが、目に焼付けて頂きたい。
中頃に小さめに写っているおばさんは、眼鏡を掛け、読売新聞の2003年4月30日(水)と思われる新聞を読んでいる。潰れてしまって見えないと思うが、見出しに「新型肺炎」「北の核、対話通じ解決」「米軍、サウジ完全撤収へ」「発泡酒あすから増税」「全日本柔道 井上V3」「タマちゃん今度は荒川に?」等と読める文字(間違っているかもしれない)が踊っている。そして「見えない!」「イライラ!」と、チョイしかめっ面になっていて、今にも爆発しそうだ。
その左に大きめに写っているおばさんは、ルテインを摂取したのだろう、「新聞の文字がハッキリ見える!!」と、満面の笑みで、パァーとしている。
マズイ事になっている。なんと、このおばさんは、目が悪かった時と、同じ洋服を着て、同じ髪形で、同じ新聞を握りしめ読んでいるのだ。同じ所に「北」の文字が見えるし、丸で囲んであるこのおばさんが読んでいると思われる記事も同じだ。同じ新聞と考えて良いだろう。この場合の、通常思い描くであろう光景は、その日のうちに効果が表われている事に、他ならないのではないか? 少なくとも、その様な誤解を与える可能性は、十分にある。
となると、いくら「即効」「確実」を謳っていても、これでは「健康食品」の枠を超え、「薬」、いや「劇薬」級の効き目である。このおばさんは、元々そんなに目が悪くなかったので、少し良くなっただけ、という反論もあるかもしれないが、そんな事はない。眼鏡を掛けても良く見えないものが、眼鏡無しで良く見えるのだから、近眼の場合、少なくとも0.3〜0.6位は、いきなり視力が上がらないと、こんな風にはならない。老眼だとしても、こんな近くのピントが合うのだから、かなりの効果だ。
また、無理やりに、月日が経ってからの絵だ、と言っても、同じ格好に、同じ新聞というのでは、合理的説明が思いつかない。やっぱりヘンだ。
と、まぁ、重箱の隅を突ついてしまったが、撮影時の予算の都合等、いろいろあるのだろうから、この程度の事は、なんかの冗談だと思って、受け流すのが大人というものかもしれない。←だったら書くなよ、というご意見もあるかと思うが、それをグッと堪えるのも、大人というものである? 調子いいなぁ、いやいや、このおばさんには敵わないよ。
|