「波動石とは!?」?
広告を載せた本人達ですら、?マークを付けちゃうんだから、あんまり自信がないんだろう。2003年11月に改正景品表示法が改正され、この手の「神秘」物は、形を潜めると思っていたが、どっこい、そうは問屋は卸さない様だ。ただ、私は、ひとんちの商売の足を引っぱる気は、更々無いので、商品そのものに関しては、伏せておく。
とりあえず、「波動石とは!?」と題された全文を読んで頂き、その後、一緒に楽しんで頂きたい。
世界中が注目! 人を幸運に導く地球の神秘 波動石とは!?
海溝などの険しい海底地形により"深層海流"が複雑に絡み合うミクロネシア海域。周辺の島々では太古より"ある鉱石"が祈祷や催事で祭られており、現在もその伝統は守られている。しかし、何故この鉱石だけが崇められてきたのか…その理由が最新の調査により明らかになった。驚いた事に、この鉱石からは約18,000nm3もの膨大な波動※1が検出されたのである。しかも、その波動は我々霊長類にしかあり得ない"生体波動"と酷似※2していたのだ。…この事実が判明し、鉱脈探索を開始してから2年後の1999年10月、深海でついに発見※3されたこの鉱石は"波動石"と呼ばれ、各国の学術調査団※4により、未知なる効果を解明すべく様々な研究が進められている※5。
(地図下文) : 唯一発見された深海の波動石鉱脈。太古のホットスポット(火山を形成する地層)跡ではないかとも推測される。
(写真下文) : 深海からの採掘は、複雑な深層海流により困難を極める。
まさしく、幸せを呼ぶ波動です!
洋菜波動研究所 所長 北嶋一也
地球上の物質はすべて、大小様々な波動※6を持っています。中でも「人の波動」は、体調や心境による変化が実証されており、医療分野への展開を含めた様々な研究※7が行われています。今回、私が注目したのはチャーム部※8の「波動石」から検出された波動が「人の波動」と酷似していた事実です。似た波動どうしの共鳴効果が、その人間本来の波動を理想的な状態へ導く※9のはもちろん、潜在意識や第六感※10などの覚醒を促す事も十分に考えられます※11。もし、この作用が人の運命に大きな影響を与えるのならば、これはまさしく「幸せ」の波動と言えるでしょう。
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と、まぁ、いろいろ書いてあるが、※1は後にする事にして、ほかを順を追って考えてみよう。
※2:我々霊長類は、石と同程度の活動しかしていないと言う事か? 見方を変えれば、この石は生体なのか?
※3:2年間も鉱脈探査をして、もんの凄い資金が必要だっただろうなぁ。石油や貴金属を探した方が良いと思うが…。ちなみに、初回発売は1万個完売だったそうだ。一つ9,800円らしいので、1万個売っても1億円。今回は5,592個限定らしいので、6千万円弱とすると、しめて1億6千万円弱。探索費は回収できたのかな?
※4:各国の学術調査団って、どこの?
※5:研究が進められているだけで、解明はされていない様子。
※6:物質を構成する原子は、じっとしている事は通常ないので、無いとは言い切れないが、基本的には、その物質(または生物)の、固有の特徴を持ったリザルトが、返ってくるのが普通である。
※7:へぇ〜。
※8:チャーム部ってどこ?なに?単に私が無知で、有名な学術用語なのか?
※9:ペースメーカーかな? が、共鳴する事が、必ずしも良いとは限らない。例えば、頭蓋骨と共鳴するような低周波は、危険である。
※10:まず第六感が解明されていないでしょう。
※11:「促す事も十分に考えられます。」って、「促します。」じゃない所が、かわいい。
てな訳で、疑問もたくさん出てきたが、さて、お待ちかねの、※1である。なんで、これを最後まで、とっておいたかと言うと、これがトンデモない事になっているからだ。なんと、波動の説明をするのに、単位が「m3(立方メートル)」である。この単位は体積を表わす時に使うので、波動に使うのは不適切である。と言うか、意味不明だし、まったく波動についての説明になっていない。波動とは、通常解釈(イメージ)で言えば、強弱のあるエネルギーと考えられるだろう。エネルギーの単位なら、最近ではW(ワット)がよく使われる。エンジンの出力表記がps(馬力)から、Wになったからね。または、J(ジュール)でも良いかもしれない。そして、その性質を表わすなら、周波数の単位であるHz(ヘルツ)である。
nm3のn(ナノ)の使い方も今イチだ。18,000もあるなら、μ(マイクロ)を使い、18μm3と表記すると良い。ピンと来ない方もいると思うので、参考までに書いておくと、μはm(ミリ)の1000分の1の話しである。タウリン1000mgと書かれると、いっぱい入っている様に思うが、1gと書かれれば、少なく思う。それと似た手法を用いている。言わば「催眠単位法」とでも名付けようか。もし、単位をm3からWに変えたとしても、18μW。果たして膨大かな? と言うか、こんな説明では、自分達ですら、ちゃんと計れていないんだから、波動なんて出ているのかが疑わしい。
っつー事で、北嶋さぁーん、研究所を名乗るなら、単位ぐらいちゃんとして欲しいぞぉー。深海なんか採掘してる場合じゃないよ。単位一つで墓穴を掘りかねないじゃん。
隕石って、そんなに凄いんか?
もう一丁、見つけてしまったので、ご覧いただこう。以下が、その説明だ。
宇宙から地球にやってきた神秘の物体“メテオ”
鉄隕石の宇宙高次元波動パワーで必願成就!!
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フジテレビ「あるある大辞典」解説者 能力開発研究所 志賀博士による脳波測定で隕石パワーは証明された。
α波は集中できる状態、θ波は深い瞑想状態、β波は気が散ったり、ストレスになり、健康を害します。隕石を手にすると、α波、θ波が強くなり、健康面や能力発揮に有効であると思われます。
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『隕石パワーお守り』と名付けられたこの商品、どうやら隕石に何らかの力があって、それで願いがかなうらしいのだが、詳しくは書いていない。
では、数少ない手がかりで、考えてみよう。『鉄隕石』とあるので、これは、年老いた星がぶっ壊れて、飛んで来たものと考えられる。
その次の『宇宙高次元』が不明だ。次元と言えば、早撃ちの名人で、いつも帽子を…。じゃなくて、物理の世界では基本的に、座標上のx,y,zと時間tを合わせた4次元の話しだ。超ひも理論なんかを引き合いに出すと、十何次元とか二十何次元とか言い始めるが、これはとりあえず、数学上の次元で、我々が普段接する事の出来る概念ではないとされている。となると、高次元とは言うものの、せいぜい4次元で、しかも、宇宙と名打っているが、地球も宇宙の一部で、地球上と地球外とで、次元が違うという事はありえない。
『波動パワー』とあるが、隕石から何らかのエネルギーが出ているとすれば、宇宙線と呼ばれる放射線を受け、その残留放射線を出している可能性と、太陽の様に、核融合していた時に得た放射線を出している可能性ぐらいしか、思いつかない。となると、あまり近づきたくない。それは、波動パワーと言うより、放射線だ。
『〜で必願成就!!』となると、ラドン温泉にでも浸かっていた方が、安く、しかもいい気持ちで必願成就できる可能性が出でくる。残念ながら、その様な温泉効能は、(たぶん管轄の)厚生労働省が認めないだろう。
さて、問題は地球外物体である隕石が、そんなにありがたいものなのか、という事だ。実は隕石というものは、我々がいかにも石だなぁと思う程の大きさでなければ、砂の様な小さな隕石が、毎日降り注いでいるらしいのだ。ただ、それが地球上の砂なのか、隕石の残骸なのかが判らないだけらしい。と言う事は、そこら中に『宇宙高次元波動パワー』が舞っている事になる。そうなれば、世界中で願いがかなえられていても、おかしくないし、流れ星を待って、3回も早口で願いを捲くし立てる必要もない。
ただ、全く効果が無いとは言い切れない。宇宙好きの人にとっては、隕石は、遠く(近いかもしれないが…)の宇宙からやって来た、ロマン溢れる物だ。それを手にする時は、うれしいひと時だろう。それが本物の隕石ならば、私だって、ちょっと欲しい気がする。人は、うれしい・楽しい等の感情を持つと、免疫力が高まるというから、願いはかなわないかもしれないが、健康にはプラスに働くと思われる。いわゆるプラシーボ(偽薬)効果だ。うどん粉を練って錠剤にしたものを、薬だと言って飲ませると、元気になるという、あれだ。
だから、志賀博士が証明したのは、隕石パワーではなく、「隕石を手にした事で得られる喜びによるプラシーボ効果」と考えるのが妥当だろう。
と言う訳で、『宇宙高次元波動パワー』なんて書かなくて、単なる『隕石パワーお守り』にしておけば、イワシの頭と同じ様なもんで、お役人の目もつり上がらないだろうと思うのだが、いかがなもんだろう? 隕石からの直接のパワーではないが、プラシーボ効果はあると考えられるんだし。ところで、本当に本物の隕石入っているの? 個人的には、できれば透明容器に、隕石が見える様なデザインがいいなぁ。プラシーボ効果も倍増(根拠無し)すると思うぞ。
それから、電話番号の右、(宇宙村)って何? 03で始まるから、東京都だよねぇ。石原都知事の構想は凄い事があるから、いつの間にか、日本版(東京都版?)NASAでも作ったのかな? それともDASH村みたいなもんかなぁ。
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