R.Feynkidの
ぶやき

献血してみました

 「献血してみました」なんと言う不届きで、物見遊山的な言い方なのか。憤慨される方もいらっしゃるかもしれないが、「興味がある」の一言に尽きる行動なので、勘弁いただきたい。悪い事をする訳でもないし。
 随分前から興味があって、一度チャレンジ(?)した事があるのだが、その時はヘロヘロな状態だった(←そんな時するなよ)ので、検査で「あなたは人にあげる程の血がありません。お気持だけで結構です。」と断わられ、なんの役にも立っていないのに、ジュースをもらい(いや「いただき」かな)、スゴスゴと帰った事があった。しかも、ご丁寧に、血液の検査結果まで、送られて来た。
 そのおかげ(?)で、日本赤十字社には、引け目を感じていた、というのが正直なところである。
 で、「いつかはクラウン」じゃなくて、「いつかは献血」と思っていたのだ。だが、私が献血車に出会う時は、たいてい人に会う約束があり、出かけて行く時なので、用事が終わると、献血も終わっているのであった。
 先日、時間に余裕がある時に、献血車に出会ったので、ついに「その時」がやって来たと思い、チャレンジ(?)に至ったのである。
 が、難関が待ち構えているとは。3日以内に歯科にかかっていたのだ。出血を少しでも伴う治療を行っていると、ダメなのだそうだ。ラッキーな事に、歯を少し削って、型をとるだけだったので、見事にパス。よかった。
 体重は近年、計っていないので、適当に書いた事を先生に告げると、実際に体重計で計る事になった。ここまで厳密だと、血を抜く事は、相当リスキーなんだな、と思ってしまう。笑っちゃうのは、「イソジンにかぶれるか」という質問だが、イソジンはうがい薬だと思っていたので、塗った記憶が無い。「判りません。うがいは大丈夫でした。」と答えたら、先生も「判らない人に聞くのもヘンだよなぁ」とこぼされていた。問診票には、「うがいはOK」と書かれていた。問題の先送りじゃないだろうね。
 「アルコールは大丈夫か」という質問に、「少ししか飲めません。」とバカな返答をした私だった。何とか盆に戻らずである。はずかしぃー。
 採血する腕を決める時に言われた「血管出てますねぇー」という言葉は、何を意味するのか? いいのか?、悪いのか? 今となっては解らずじまいだ。 ちょっと気になる。
 あれよあれよと言う間に400ml献血する事になってしまい、血圧測定や、血液検査が終わって、いよいよ血を抜かれる事になった。
 腕を(たぶん)アルコールでゴシゴシ拭かれ、(たぶん)イソジンを塗られ、注射針をさされる段になり、びっくりした。すんごく太いのだ。私は幼少の頃、病弱だったので、注射には慣れていて、そんじょそこいらの注射針では驚かないのだが、今まで見た事がない位、すんごく太いのだ。針穴に針が通るとでも形容できる程である。
 その針がブスリとさされると、今度は、「ニギニギ君(仮名)」を持たされて、なんと、採血中に痛くない程度に、ニギニギしろと言うのだ。ご存じかと思われるが、注射針がささっていると、ちょっと動かしただけでも、結構痛いのだ。それをニギニギしろとは…。やってみましたよ、やっぱり痛い(涙)。それでもがんばってニギニギしたおかげか、担当さんが言う事にゃ「初めてとは思えない程順調」に採血できたらしい。それにしては、長かった様な気がしたが、痛くない程度にニギニギするという「スリル」のせいで、そんな気がしたのか?
 終わって、献血手帳を作ってもらっている時に、2本目のジュースをもらった。1本目は献血する前に飲んでいる。そういえば、緑茶とウーロン茶とコーヒーがあったが、採血する前にコーヒーはどうかな?と思った。献血手帳ができると、もう1本飲めという。「もういただきましたよ。」というと、「すごく」暑いので、水分を「すごく」とらないといけないらしい。ありがたく3本目をいただいてきた。なんでも抜いた分の血を、水分でまさに「水増し」するのだそうだ。とにかく重労働や走ってはいけないというのは、そのせいらしい。
 さて、帰るか、という時に、はたと気がついた。両腕がいかにも「注射したばっかりですぅー」という雰囲気になっているのだ。しかも脱脂綿を、1時間は剥がすなと言われている。これから電車に乗って帰るのに、ちょっとヤダなと思った。だって、正直にそんな「大病持ち風」に近づきたくないでしょ。という訳で、声を大にして言っておこう。両腕に注射した形跡がある人に出会ったら、「献血して来たんだぁ。うんうん」、と心の中で肩でも叩いてあげていただきたい。世の中、健康だからできる注射跡もあるのだから。

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(C)2003 Richard Feynkid