- 日本のエネルギー事情の今、をお伝えします。
- 日本の電力消費量は世界第3位
- 家電やデジタル機器の増加などにより、日本の総電力消費量は、この40年間で約3.5倍に増加。
アメリカ・中国についで、世界第3位という高い水準に達しています。
- エネルギー資源獲得競争の時代
- 中国やインドの急速な経済成長にともない、世界のエネルギー消費量は、年々増加しています。
20年度の消費量は、現在の約1.5倍になるという予測もあります。
限りあるエネルギー資源をめぐって、既に世界的な資源獲得競争が始まっています。
わが国は、世界第3位の電力消費国にもかかわらず、エネルギー資源のほとんど(96%)を、輸入に頼っているため、今後は、より一層、エネルギー資源の安定的な確保が、重要になってきます。
- 国内で化石燃料の消費が急増
- 過去2度のオイルショックを教訓に、わが国では、化石燃料に依存し過ぎないよう、水力・火力・原子力などの、発電方式を組み合わせて、電力を供給してきました。
現在、原子力発電の代替として、火力発電の割合が増えています。
中でも、2011年度のLNG(液化天然ガス)の消費量は、前年度の約3割増で、過去最高となりました。
- 火力発電の今、をお伝えします。
- 発電量の8割にまで増加
- 現在、原子力発電の代替として、火力発電がフル稼働しています。
設備が古く、環境性やコスト面で劣るために、休止させていた発電所も、動かせるものは全て動かしている状況です。
結果、日本の総発電量に占める火力発電の割合は、東日本大震災前の約6割から約8割にまで増加しています。
- 燃料の種類と特徴
- 火力発電の燃料には、石油・石炭・LNG(液化天然ガス)等があります。
石油は、燃料の貯蔵が容易ですが、価格変動が大きく、石炭は、価格が安い反面、発電時にCO2を最も多く排出します。LNGは、燃料の輸送費が大きく、コスト面で課題があるものの、CO2排出量は、比較的少なくて済むという、特徴があります。
電力各社は、調達のしやすさ・コスト面・環境性等、それぞれの特性を、うまく活かしながら、電力の安定的な供給につとめています。
- 安定供給・コスト・環境面での課題
- 資源小国である日本は、火力発電の燃料となる、石油・石炭・LNGのほとんどを、輸入に頼っています。
シェールガス等、今後さらなる活用が、期待される資源もありますが、国際情勢の変化で、価格が高騰するという、リスクがあります。また、火力発電に依存する今の状況は、発電時のCO2排出量が増えるため、地球温暖化防止の点でも、問題です。
- 再生可能エネルギーの今、をお伝えします。
- CO2排出量も、燃料の輸入量もゼロ
- 再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・水力・地熱等、自然の力を利用したエネルギーのことで、現在の日本の総発電量に占める割合は、約10%(水力を除くと約1%)です。
発電時にCO2を排出しないため、環境への負荷が少なく、燃料を輸入する必要もありません。
貴重な国産エネルギーとして、今後、最大限に活用していく必要があります。
- 国内で導入が増加
- 日本は諸外国に比べて、国土が狭く、山間部が多いという、大きな制約がありながらも、太陽光・風力発電の導入に、積極的に取り組んできました。特に、太陽光発電は「余剰電力買取制度」のもと、ご家庭用の伸びが目覚しく、日本全体での導入実績は、世界第3位です。
2012年7月1日からは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」もスタート。さらなる拡大が、期待されています。
- 拡大に向けた課題
- 太陽光や風力発電の拡大には、他の発電方法に比べて、高コストであることや、天候・時間帯・季節で、発電量が変わる等、克服すべき課題が、いくつかあります。
一般的に、太陽光発電の稼働率は、ご家庭用では、年間平均12%程度と、言われています。
今後、大量に導入するには、バックアップ用電源や、電力供給システムの対策が必要であり、電力各社は、これらの課題克服に向けて、積極的に取り組んでいます。
- 原子力発電の今、をお伝えします。
- 安全確保が最重点課題
- 東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する反省と、教訓を踏まえ、電力各社は、設計・運転のあらゆる面で、徹底した安全確保に取り組んでいます。
まず、事故後直ちに、電源や冷却機能等の、徹底した安全性向上対策等を、実施しました。
中長期的な対策として、更なる安全性・信頼性向上のために、防潮堤の建設等も、進めています。
また、安全性に余裕があることも、ストレステストにより、定量的に調査しています。
今後も、更なる安全性向上に向けた改善に、取り組み続けてまいります。
- 原子力発電の特徴
- 燃料のウランは、世界中に幅広く分布しているため、国際情勢の変化に左右されずに、安定して入手することが可能です。
価格が安定していること、わずかな燃料で、長期にわたり、大量に発電できることは、エネルギー資源に乏しい日本にとっての利点です。また、発電時にCO2を排出しないので、地球温暖化防止にも有効です。
- 使い終わった燃料の処理について
- 原子力発電所で、使い終わった燃料から生じる、高レベル放射性廃棄物は、放射能が高く、減衰するまで、長期間にわたり、生活環境から隔離する必要があります。
最終的には、地下300mより深くの、安定した地層に埋設し、処分する計画ですが、処分施設の場所は未定であり、現在、設置可能性を調査する区域を、公募しています。
- 未来のエネルギーを考えるために。
- これからの、日本のエネルギーについてお考え頂くために。
まず、現在のエネルギー事情について、ご説明致します。
もっと、詳しくお知りになりたい方は、ぜひ、私たちのホームページ(電事連)をご覧下さい。
私たちは、これからも、電力の安定供給に、全力で取り組むとともに、東京電力福島第一原子力発電所の、事故に対する反省をふまえ、原子力発電所の更なる安全性向上に、取り組んで参ります。
電気事業連合会
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