R.Feynkidの
ぶやき

リッツパワーシフト(MS-001)の回路ってどうなってるのかな

 「…どうなってるのかな」なんて言いつつ、実は私は現物を持っていたりする。『K-CARスペシャル 2006.1 Vol155』の広告とレビューで、『排気ガスをクリーンに 世界初のエコ&パワーアイテム』とあり、「へぇー、こんなんあるんだぁ。」と知ってはいたのだが、何せ値が張る。しかし、偶然にもガレージオフで、ジャンク315円というのを見つけ、即買いした。一応「これ、動きます?」と聞いたところ、「ランプですねぇ、灯けばいいですか?」と言うので、試してもらったら、青く光ったらしいので、最悪青LEDランプになると思ったのだった。
 さて、早速試してみると、しばらくは何も起こらない。が、しかし(んっ? (オーディオの)Hiが抜けてるなぁ。)と感じられ、そして(あれっ? 排気音が乾いてるぞ。アクセルフィールもいいぞぉ。なんだこりゃぁー。)となったのだ。まさに、レビュー通りだった。
 だが、皮肉れ者の私としては、そこでシガーライターソケットから抜いてみたくなった。(えぇー? なんかショボい音になったぞぉ。)という訳で、また挿し戻す事にした。でも、レーダーも挿していたので、3分岐ソケットを買う事になり、パワーシフトより高い500円の追加出費と相成った。
 省エネ・低燃費をうたっている物なので、肝心の燃費はどうかというと、ごめん、MOVE(L150S FF NA 5MT)に乗り換えた瞬間に、燃費がどうでもよくなっちゃって、計ってない。ので、わかんない。もし、統計を取っていたとしても、ドライビングフィールが良くなって、楽しくなっちゃって、アクセルを踏んづけてしまっている可能性が高いので、参考にならないんじゃないかなぁ。
 という訳で、私としては、このリッツパワーシフトは安い買物だった、と思う。実際安いし(笑)。ただ、そうなると『中身は何? どんな仕組みなん?』と興味が湧いてくる。現物をバラせば、解るのだが、途中で壊れてはもったいない(お気に入りだし)のと、開発者に悪いので止めた。モロに回路図にして、商売の邪魔をする気はない。で、ネットで検索してみたのだが『コンデンサーチューンなんじゃない?』ぐらいで、大抵話しが終わっている。でもレビューに「特許申請中なので原理は秘密」とあったので、(じゃぁー、特許庁に回路図あるはずじゃん。)と思い、違う方向から調べてみた。見つけたので、自作派の方は、参考にしてみると良いだろう。見方は以下の通り。


    特許・実用新案文献番号索引照会のページから特許公開2007-060252を検索する方法
  1. http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110にアクセス。
  2. 検索対象のラジオボタンは“特許”。
    種別のリストを“公開”にする。
    文献番号に“2007-060252”を入力する。
    “照会ボタン”をクリック。
  3. 画面が変わる。
    “リストボタン”をクリック。
  4. 画面が変わる。
    “特開2007-060252”のリンクをクリック。
  5. 真中と右のフレームに表示される。
  6. いろいろクリックして読もう。

 どうやら、ダイオードの順方向同士で接続するのが、基本回路らしい。付随して、可変抵抗で最適化したり、ヒューズでショートを避けたりしているみたいだ。なるほど、これなら電力を無駄に消費しないし、と言うか流れないし、迷走しているノイズだけを、ダイオードで熱に変えて捨ててくれるかもしれない。(おぉ、すげぇな。)率直な感想である。
 で、私も会社のステージアに作ってつけてみた。ダイオードはスイッチング電源からもいだスイッチングダイオードで、グランド側にヒューズ0.5Aの物を使った基本回路版だ。部品調達から始める方は、ダイオードは1SS133を2本順方向で接続してみたらいかがだろうか。が、これらが本物と同等に動作するかは判らない。で、効果だが、こちらも残念ながら、私がユーザーではないので、良いも悪いも判らない。ごめん。まぁ、最悪でも何も起こらない(笑)。
 ちなみにこの技術は、まだ審査未請求なので、正確には特許技術ではない。審査すらされていないので、特許庁審査官の御墨付きは無いのだ。私見では、この書き方では恐らく特許は下りないと思うので、商売上の牽制の意味で出願している様に見える。だからと言って、類似品を作って売るのは商道徳に反するので止めよう。そう言えば、24V仕様も出たみたいだ。なんでもいいけど、ちゃんと特許取って、世界中の車にライセンス供給して、標準装備にしようよ。それこそエコじゃん。


追記:

 最近の雑誌の記事では、中身をばらしてしまっていたりする。で、その写真を見たのだが、(たぶん)3本足のスイッチングダイオードで、まん中の足をもいだ物をメインに、コンデンサー、抵抗、コイル、ヒューズで構成されている様だ。意外にも(失礼)複雑な回路をもっているように思える。
 んにしても、最近類似品が多いけど、コピってないよねぇ?


追記:

 文献番号を“2005-225409”と記載していたが、新たな文献で、より詳しく書いてあるので、参考にすると良いだろう。
特開2007-060252 (P2007-60252A)


追記:

 手前味噌の情報で恐縮だが、お知らせ 2008年2月号 No.23をご覧いただきたい。なんと、公正取引委員会からの排除命令(2008年2月8日 自動車の燃料向上を標ぼうする商品の製造販売業者ら19社に対する件について 別添13 [PDF])が出た。エネルギー消費効率の向上を謳っている表示が、根拠無いものだったらしい。自動車雑誌なんかの広告では、数値も出していたのだが、信憑性は皆無ということなのか。うーん、特許も審査請求していなかったところを考えても、あんまり自信無かったのかな?
 ただ、私に関しては、決して高い値段で購入した訳でもなく、体感上、良い結果があったので、怒る訳も見当たらず、最悪でも“なんにもしない”物であると認識しているので、そのまま装着するつもりだ。
 今回のケースは、もしかしたら、提出されたデータがずさんで、認められなかっただけかもしれない。あまりにも眉唾な物はどうかと思うが、開発者が根拠と信念(?)を持てる物であるのならば、また、チャレンジして欲しい。トンデモさんと言われ続けたことでも、後に「すばらしい理論でした」ということになりかねないのだから。

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(C)2007 Richard Feynkid