R.Feynkidの
ぶやき

気になる“音達”

初秋の風物ツクツクホーシ

 どうも私には「ツクツクホーシ」とは聞こえず、「ホーシン、ツクツク」に聞こえる。理由は簡単で、「ホー」が強拍なので、それが1拍目に思えてしまうのである。要は「ホーシン、ツクツク×2」と1拍3拍の4拍子、あっ!セミ(蝉)の話しですよ(笑)。なんですわ。唐突で申し訳ない。
 1拍3拍と言えば、アジアのノリか、クラシック畑の人の感覚である。長年ハードロックをやってきた身としては、複雑な思いだ。まぁ、クラシカルメタルが好きなので良しとするしかない。で、その名の通りとすれば、「ツクツクホーシ×2」で、強拍が2拍4拍とアフタービートになり、かなりロック寄りだ。
 かんなり悔しいので、本当に「ツクツク」で始まっているかを、真剣に聞いてみたのだが、私には「ホー」が先に思える。もっとも私の世代では、西川のりお氏が「ツクツクボーシ(「ホ」じゃないよん)」とやっているのが耳に残っているから、「ツクツク」が先に聞こえても良さそうなものであるが、やはり聞こえない。
 という訳で、えらくルァッケンローな奴が命名してしまった様に思える。夏バテと共に、「やられた」という気持ちでいっぱいだ。
 余談だが『ミンミンゼミ』は、「ミィーン、ミーン、ミン、ミンミンミンミン、ミィー」と、1拍目が強く、しかもリズムが一定ではないので、かなり日本民謡的であると思われる。私には縁が無いらしい(笑)

最後の一音、切らないでぇ

 私の勤務先では、朝礼の後にラジオ体操をやる。これは今だラジカセで、カセットテープに録音されたものを、ビジネスホンの社内呼び出しの機能を使い、社屋中に流すという、かなり原始的で、且つ確実な方法で行うものだ。しかも、ラジカセのスピーカーからの音を、受話器で拾うので、日によっては、えらく歪んでいたりして、ハードロック魂を揺さぶられる(?)。
 それなりの人数が揃っていると、それぞれに癖があり、とてもおもしろい。上半身をまわすセクションでは『○○ライダー変身!』のポーズ(盆踊りにも近い)になってしまっていたり、跳躍はリズムを全く無視して、ピョンピョン飛び過ぎてたり、ひねりセクションでは、ひねる方向の逆の足が上がってしまって『変形シェーッ』のポーズだったりと、多種多様だ。私がニヤニヤしてしまっている時は、誰かの体操を見て、笑いをこらえていると思ってもらいたい。
 ラジオ体操そのものを、結構惰性でやっている様なので、何かのトラブルで、曲の途中から始まっちゃったりなんかすると、「えっ? これどこ?」とわからなくなったりする。これも刺激的で、たまにはいいかもしれない。同じ様に、第2が始まっちゃっても、パニクる(笑)。もう、全然思い出せない…。
 よく考えてみると、曲がかなりプログレだ。気持ち悪い音階もあるし、リズムにいたっては、全く一定ではない。朝一番でやるのに、こんなマイナー調な雰囲気でいいのだろうか? 朝から映画『ザ・ウォール(ピンク フロイド)』でも見せて、業績をあげようとする様な暴挙に等しくはないだろうか? そんな会社無いだろうけど…。慣れというのは恐ろしい。
 そんなタダでさえプログレな曲を、たまぁに「あぁ、終わった、終わった」とでも言わんばかりに、最後の一音の前で、テープを止めてしまうことがある。大きく深呼吸して、「チャン チャン ツンチョン(ブツッ)。」うわぁーっ、気持ち悪いっ! 何で最後の「チャラン」が無いんじゃぁ! トニックで始まったら、トニックで終わってくれよぉ。(ドで始まったら、ドで終わる) この気持ち悪さで、私は一日ブルーである。「お願いだぁ、事務さんっ、最後までやって下さぁーい(涙)。」と心の中で叫ぶのであった。

百均の風鈴

 昔、私がまだ『百円店』と呼んでいた頃は、スーパーの店先を借りて、妙に愛想のいいおっちゃんが、ワゴンを並べて、“たまぁに来ている”という感覚のものだった。今では、フロアをドォーンと占め、「まずは、百均で見てから…。」なんて程、日常に入り込んでいるし、かなりの物が手に入る。ただ、もはや100円均一でもないし、ロジャースなんかの方が安いものもあるので、右往左往してしまう逆転現象も、私の中では起こっている。
 品揃えが充実するにしたがって、季節物を置くようにもなった。そんな中で、夏に風鈴が出現した。
 しかし、だ! この風鈴、音が「コンッ」って鳴る。風鈴の一般的なイメージとしては「チリン」だと思う。私のイメージとしては「ヒィン」である。薄いガラスが削られるかの様な、固く脆く軋む音を伴い、突き抜ける鋭さを持っているのが、風鈴なのではないだろうか?
 それが「コンッ」である。この暑苦しい関東(どこでもだけど)の真夏に「コンッコンッコンッコンッ」なんてやられた日には、私の脳内ではデスメタルが鳴り響くことになる。(台風の時に出しっぱなしの風鈴も!)
 てな訳で、もうこの「コンッ」って鳴る風鈴は止めにしてほしい。製作時のコストや、輸送のリスクを考えれば、これぐらいブ厚い物になってしまうのかもしれないが、それだったら、諦めてよ。視覚要素だけではなく、聴覚要素も風鈴には必要だ。大体、日本の夏は、風鈴でどうこうできる範囲を、とっくに超えてしまっている。もういいじゃん、いや、止めてくれぇ。

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(C)2006 Richard Feynkid