R.Feynkidの
ぶやき

幽体離脱したのかな?

 幽体離脱に関して、2006年4月9日放送の日本テレビ系特命リサーチ200Xでの、実験は(額面通りに受け止めれば)実に興味深いものだった。
 実験は、部屋で被験者に催眠術をかけ、幽体離脱させ、離れた建物の部屋の事をあてさせる、というのが、大雑把な内容だ。離れた部屋は、室温25℃に保たれ、エアコンはOFF、赤外線に反応するライトとサーモグラフィーを備える。もちろん無人で、カメラもある。そりゃそうだ、テレビ収録だもん。しかし、どうやってエアコンがOFFの状態で、室温を保つのだろうか? ちょっと不思議であるが、やたらと空気が対流して、サーモグラフィーがチラつくのも面倒だ。と、まぁ、随分ざっくりな設定なので、厳密な実験とは言いがたいような気がするが、エンターテイメントだと思えば、少しはまともかもしれない。
 で、実験開始である。催眠状態で幽体離脱させられるという韓国の教授(だったかな?)が、被験者を催眠状態にする。そして、その斜め後ろに立ち、意識が離れた部屋に行くように指示し、どのようになっているか質問する。私が見る限り、結構ぼんやりとしか見えていないようだ。でも、サッカーボールは言い当てていた。ホテル(?)の一室に、通常はサッカーボールなんか置いていないから、当てずっぽうにしては、ビンゴだ。
 さて、意識がその部屋に行った時に、前記のライトがついた。サーモグラフィーも、どこかが3℃程上昇したらしく、色が変わった。それが、被験者の意識が戻るまで続き、戻ったところで、25℃になったのである。ここで重要なのは、これ程の反応をさせるには、かなりのエネルギーを発散させながら、そこに励起していなければならないことだ。赤外線なり、熱なりの、エネルギーがセンサーやサーモの受光素子に当たるからこそ、観測できるのである。
 すると、もし、被験者の意識なり、魂なり、コピーなりが、そこへ行けたとすると、被験者は相当なエネルギーを、そちらに取られることになる、というのが筋だ。25℃から3℃上昇だから、28℃の体温(?)としても、基礎代謝の3割ぐらいは持っていかれるかもしれない。随分危険な状態だが、ダイエットにはいいかもしれない。
 この世界は、プラスとマイナスで出来ている、というのが、有力な説となっているぐらいだから、もしかしたら、我々が通常扱えるエネルギーがマイナスとしたら、プラスのエネルギーを使って、離れた部屋を見に行っているのかもしれない、と思うところだが、どうやって『通常我々が扱えないエネルギー』を扱うか、が問題となる。
 しかしだ。いわゆる『双児の粒子の問題』の様に、由来が一つのエネルギー励起体のうちの一つが変化(通る道筋等)すると、もう片方も瞬時に同じ変化をするという実験結果があるらしいので、被験者から発せられた双児の粒子が、離れた部屋を見に行った、と思うところだが、これも、どうやって双児の粒子を、要するに被験者のコピーを、意識的に造り出すか、というのが問題となる。しかし、これならば、赤外線センサーが反応するぐらいのエネルギーが、飛んで行ってもおかしくはないのかもしれない。が、そんなエネルギーが、いっぺんにワッと飛んで行けば、周りの生身の人間が気がついても良さそうだ。何せ、被験者のコピーが、飛んで行くんだからねぇ。
 残念ながら、今回の実験では、理論構築も出来なさそうだし、赤外線センサーやサーモグラフィーの変化が、幽体離脱した被験者の一部である確証も、また、そうでないという確証も得られていない。
 でもでも、おもしろかったので、またの機会に期待だ :-)

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(C)2006 Richard Feynkid