R.Feynkidの
ぶやき

どう乗る?エスカレーター

 「エスカレーターは歩くものではない。」某新聞に中学生が投稿した意見を読み、「わはははっ、全くその通りでございます。」思わず頭の下がる思いだった。よくよく考えてみれば、現在の状況は本末転倒もいいところで、本来便利施設であるはずのエスカレーターを歩くなんていう事は、実に馬鹿らしい行為と言えるだろう。ほとんどに併設されている階段の立場も無いではないか。
 しかし、物も金も動かないのに、人間だけが忙しく動く世の中、正論(?)だけでは、事は済まない。駆け上がる必要のある人もいるのだ。階段の無いところもあるしねぇ。
 となると、立っていたい人と、歩きたい人が出てくる。よく「左右どっちに立っているべきか」なんて議論が勃発するが、どうすればいいのだろう。
 私は関東人なので、左に立っているが、関西では右に立つらしい。果たして、どちらがいいのか? 日本では左側通行なので、追い越しは右からというのが、親しみがあると思われる。なんでも大昔、武士の時代に、刀の鞘がコツンと当たって、「おのれ、武士の魂に何たる無礼!」となるのを防ぐ為に、左側通行にしたという、根の深い話しだ。するってぇと、関東方式の様に、左に立っていれば、刀の鞘がコツンとなる事もないだろうから、「切り捨て御免」という目に遭わなくて済む。しかし、もう武士がウロウロしていないので、合理的理由にはなりそうもない。
 右に立っているのは、ちょっといいかもしれない。人間の多くは(特に日本では)右利きだ。その利き手で、エスカレーターのベルトを、むんずと掴んでいられるのは、もしもの時に有利だ。
 我々は国際社会の一員である事も、忘れちゃいけない。ほとんどの国々は、右側通行だから、右に立っていて、左から追い越される事に、違和感はないだろう。もちろん武士の心配も彼等には無い(しつこい!)。問題はイギリスか。あの国は日本と同じ左側通行だから、違和感を感じるかもしれない。だが、どうやら右も左もありの様だ。左側通行の国は優柔不断なのか? こんなんだからEUに統合されたくないのか? 大きなお世話だが。
 さて、となると、右に立っていた方が良さそうだ。しかし、私は小市民なので、ひとりだけ、関東で右に立っていられる程の、勇気を持ち合わせていない。こうなったら、おばちゃんパワーに任せる他ないだろう。おばちゃん達が右に寄れば、空間の対称性は破れ、後に追従するものは、右に寄らざるを得ない。物質は合理的な方を選ぶのだ。理論物理学かよ。
 うーん、私の検証では「右に立って、左から追い越す」が良さそうだ。他にもいろいろ意見があるだろうから、結論としては言い切れないが、でも、そんな中途半端では、いつまでも優柔不断左側通行(?)から脱却できないではないか。よぉーし、勇気を持って、言い切ってみよう。
 結論:「エスカレーターは歩くものではない。」 基本的にこれは間違ってなさそうだ。:-)

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(C)2003 Richard Feynkid