R.Feynkidの
ぶやき

掛け金の2倍もらえる年金の月額

 どんなもんだろう? 公的年金不信がささやかれている昨今、政府(政治家?)は、支給額を掛け金の2倍だの、1.75倍にする、だのと言っている。いまいちピンと来ないので、計算してみる事にした。勿論、何の考慮も無く、「掛け金の2倍」というのを真に受けて、私のイメージで計算するのだ。そして、一番ピンと来るのは、ひと月当たりの収入だと思うので、月額計算してみる。
 さて、私は国民年金のみの掛け金なので、ひと月13,300円である。それを40年間収めたとしよう。そして、(私は100才オーバーまで生きる気であるが(笑))20年間、年金の支給を受けると、政府が計算しているとすると、

月額支給額 = 13,300円 × 40年 / 20年
      = 13,300円 × 2
      = 26,600円

 と、これで掛け金と支給額がトントンである。そして、約束(公約?)通り「掛け金の2倍」という魔法を掛けてもらうと、

月額支給額 = 26,600円 × 2
      = 53,200円

えっ? 53,200円 …。


日本は高齢後進国

 古くから日本には“隠居”という言葉があったし、先進国には英語の“リタイアード”に代表(?)される“隠居”と同等の言葉がある。しかし、今の、そして将来の日本には、隠居という言葉は、一部にしか残らない様である。少なくとも、国が旗を振って、国民が一生働く制度になっていく事は間違い無い。
 今、制度(風習?)としての、定年の撤廃を企業に求めている。早くとも、70歳までは、引退できない雰囲気にしたい様だ。それは、国民年金の支給を遅らせたい一心である事は、想像するに易しい。そして、無駄遣いを棚に上げ、さりげなく「このままでは、年金制度は破綻します」と言いたげなポーズをとり、国民の不安を煽り、「働かねば…。」との思いを抱かせる様に扇動するのだ。もちろん、小出しに支給額を提示して、国民年金を(万が一!)支給されても、生活できないという事実を、植え付ける事も忘れていない。
 当然、ご老体が引退しないのだから、若者の仕事も減る。最購買層のはずの若者が、職が無く、お金が無ければ、お金は回らず、景気は悪いままだ。結婚に不安が出て、ますます晩婚化、小子化に拍車がかかる。人口が増えなければ、税収や年金掛金も低下、立ち行かなくなる。国民年金は支給できません。一生働いて下さい。
 あぁ、そうそう、晩婚化して、歳をとってから出産すると、その子供の寿命が延びるんだそうな。ますます高齢者国家になっちゃうじゃん。というオマケ付き!
 どうにか、逆にならないものだろうか。国民年金で生活できれば、隠居できる。若者の仕事も増える。そして、(女性差別とか蔑視とかは今は忘れてね)女性が家庭に居られる様になれば、男性が職に困ることは無い。今、パートで埋められている分を、男性がやるのも良いだろう。まぁ、それには、インフレが伴うが、国民の失業率がゼロに限りなく近づけば、問題無い。インフレになれば、国の借金も実質減少するし、ホクホクだろう。税収も上昇だ。これで、安心して隠居できる。
 後進国では、一生働くのが標準の様だが、先進国と言われる国々では、当り前の様に隠居する。このままでは、日本は先進国から脱落し(もう脱落してる?)、死ぬまで働く国になることだろう。そして、働けなくなったご老体の為に、姥捨て山(爺も)復活である。猛禽類に食べられる予定なら、死ぬまで待っていてくれるだろうが、猛獣ならば、背中を見せた途端にパクリだ。しかし、いくら覚悟しなくてはならないとは言え、我々には心の準備はできないだろう。いや、現代の姥捨て山はアパートの1室か。生活保護を打ち切られて、ひっそりと亡くなり、虫が集るのだ。猛禽類の方がちょっといい様な気がする…ね?
 それにしても、国民年金未納の人は、もし財産を残しておかなければ、生活保護を受けるしかない。それは全額税金で、年金存続云々の問題ではなくなってしまう。まさか、制度を変更して、「生活保護は60歳までです。その後は、年金でお暮らし下さい。無いんですか? でも、制度ですので支給できません。」なんて言えないよねぇ。憲法では、人としての尊厳を失わない程度の生活をうたっているし…。でも、小子化で税収は減っていくだろうし…。どうするのかな? どうするかは、我々の一票次第か…。

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(C)2003 Richard Feynkid