R.Feynkidの
ぶやき

心霊写真は先祖の警告か?

 しばしば自称霊能者が出てきては、心霊写真とやらに対して、「これはこの方(写真に映っている人)に異変や災いがある事をご先祖様が警告しているのです。」なんて、言っちゃっているが、ご先祖様にとって、これは大変な事だ。
 何が大変かって! 世の中、家族の写真を、やたらとバチバチ撮っている家族なんて、なかなか見かけないでしょ。そうすると、ご先祖様は、子孫が写真を撮るまで、じぃーっと待っていなくてはならない。待ちくたびれる事、間違いないだろう。ご先祖様がうっかり者で、写り込むタイミングを逃そうものなら、次のチャンスまで、気が気ではないと思われ、ストレスは溜まる一方だ。
 その前に、幼少のうちから、撮影の度に、写り込んでくれても良さそうだ。いい年をしてから、写り込んでいるのが多すぎる。今までご先祖様は何をしていたのか?  また、カメラが無かった時代なんかは、どうしていたのだろう? 一部の金持ちは、肖像画を描かせる事もできただろうから、そこににじみ出でくるというワザもできた(?)かもしれない。貧乏な一族では、警告もする事ができずに、ご先祖様は唇を噛み、悔しがったに違いない。壁にでもにじみ出てこようものなら、壁を汚したと、大家に怒られるのは、大切なはずの子孫だ。
 現代では、ビデオカメラなんていう、厄介なものまである。これは撮りっぱなしなので、写り込むタイミングは、ご先祖様のセンスに任される。テレビや映画を見た事のないご先祖様には、荷が重すぎる(見た事があっても凡人にはねぇ)。大っぴらではありがたみがないし、写らない訳にもいかない。そこまで計算できれば、アカデミー賞も夢ではない。
 心霊写真が、ご先祖様の警告だとしたら、保険会社は使わない手はない。医師の診断書なんか見るより、加入希望者の全身写真を撮り、妙なものでも写っていようものなら、「あぁ、あなたはケガをしそうですね。加入はお断りします。」なんてやった方が効率的で確実である。
 以上、科学的な話しは無かったが、ご先祖様の苦労を思うと、教えてくれとは言えなくなる。大体、あなたが亡くなり、子孫に警告するとなったら、こんなまどろっこしくて、大変な事をするだろうか? あなたは、壁や絵画ににじみ出てくる方法を知っているだろうか? 撮影された後のフィルムや、枝や岩を使って写り込む方法や、被写体を消し背景を前面にする方法を知っているだろうか? もっと簡単に教える方法を考えるだろう。もっとも霊(とやら)として存在できればの話しだが。

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(C)2003 Richard Feynkid