R.Feynkidの
ぶやき

霊界テレビの笑体

 正確には「正体」であるが、「笑」の字を書きたくなる。年末恒例ともなった、超常現象バトル。その中で放送していた「霊界テレビ」なるものだが、ズッコケもいいところだ。あの場面を見て、全視聴者がズッコケなければ、どっかの教祖が空中浮遊する日も近い。ズッコケる事ができなかった方に言っておくが、あれは、映像信号をフィードバック(再帰)させたもので、全然「霊界」なんかでは無い。流れはこうだ。

  1. カメラが映像(テレビ画面)を撮る。
  2. 映像信号をカメラからテレビに送る。
  3. (映像信号が一定以上の強さなら、映像信号を非常に弱くする。)
  4. 映像信号をブラウン管に映し出す。
  5. 1.に戻る。

 このループを何度か回るうちに、信号は前の信号と足され、どんどん強くなり、テレビ画面は明るくなる。「明るくなる=電圧が上がる」なので、無限に明るくする訳にはいかず、一定以上に強くなったら、それを弱める。よって、放送された様に、テレビ画面が明るくなったり、暗くなったりしていたのだ。
 テレビ画面の中に、「顔」と言われていた「ムラ」ができるのは、何故だろうか? これも簡単である。テレビはブラウン管に、映像を一瞬にして表示しているのではなく、一本のペンでノートにメモを取る様に、ブラウン管表面に書きなぐっているのである。だから、当然最初から最後に至るまでには、時差があり、その間に電圧も揺らぎ、カメラが撮った「どうでもいい」映像と相まって、ムラの一つもできるのである。このムラは、先に書いたループで、更に強調されるのだ。
 なんでもいいけど、この手法は、何年か前の同局でもやっていたと思う。その時は飛び降りた人が橋に引っかかってどうこうとか、洞窟から声がどうこうとか言う番組だと思ったのだが…。
 とにかく、まぁ、これは超常現象でもなんでもなく、言わば「常現象」である。いかがかな、ズッコケられたかな?

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(C)2003 Richard Feynkid