R.Feynkidの
ぶやき

難しきスローライフ

 今般、スローライフとやらがキーワードになって来ている様だが、これを実行するには、今の日本では難しい。元々、ファーストフードの反動で、食事ぐらいはゆっくりとりましょうという、スローフードから由来しているのだが、現在職をもっている人は、非常に忙しいから、昼食は言うに及ばず、夕食だって、簡単に済ませてしまう。スローフードすら夢物語なのだ。なぜだろうか? これには、少量多品目にして、今すぐ欲しいという欲求と需要を可能にしてしまった、IT化が大きく響いているはずだ。もちろん、それが悪いなどと今さら言う事はできない。が、しかし「今すぐ欲しい」という気持ちだけでも、エンドユーザーが抑制してくれれば、ちょっとはいい世の中になるかもしれない。日本を焦らせる、こんな流れが変わるからだ。

  1. 客:「この癒しグッズいいなぁ。うーん、どうしても今すぐ欲しいぃー。」
  2. 客:店に急行。
  3. 客:店に無い。「ガーン。」
  4. 客:「注文しますぅー。」
  5. 店:「早くても3日後になります。」
  6. 客:「もっと早くなりませんか?」
  7. 店:「どうにかしてみます。」(って言わざるを得ない。)
  8. 店:「お客様がどうしてもとおっしゃっています。」
  9. 問屋:「わかりました。」(って言わざるを得ない。)
  10. 問屋:「販売店がどうしても言ってきたので。」
  11. 製造:「わかりました。」(って言わざるを得ない。)
  12. 上司:「今すぐ持って行け。昼飯なんか食ってる場合じゃぁないぞぉー。」
  13. 平:(腹へったぁー。吉牛で済ますか。ちくしょー忙しいよぉー。)

 これがもし、毎日の事だったら、どうだろう? これがもし、日本中の会社での事だったら、どうだろう? いや、もうこれが日常で、日本中あらゆる仕事の、納期がパツンパツンである。もちろん、この場合のお客だって、次の日は出勤で、同じ様な忙しさだろう。これがまだ、人間同士の会話なら「どうしても無理です。」があるかもしれないが、POSなんかだと、一方的に注文が入り、拒否できなくて、どうしてもやらなければならなくなる。そして、実行するのは、コンピュータではなく人間だ。人間が楽できるどころか、人間が働かされている状態にまで落ち込んでいる。
 みんなが余裕を持って生きていくためには、物事は「我慢」と「計画性」を持って進める事が必要だろう。計画があれば「余裕」も計画の内に入れておけるではないか。そして、もうそろそろ「物が欲しくて堪らない」生活から脱却しなくてはならないだろう。

ps:ちなみに何でこんな事を思ったかと言うと、先日風呂釜が壊れた時に、ドイトに「3日かかります。」と言われたのに「もっと早くならない?」と言って、注文した次の日に入荷してもらったからである。Thank you DOit!

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(C)2002 Richard Feynkid