R.Feynkidの
ぶやき

景気回復はスペインに学べ

 ちょっと前に、某新聞の日曜版で、スペインの配管工(?)の親方アルバロ君の話しがあった。実に日本から見れば、ムチャクチャな仕事ぶりであるが、そこに隠された、景気安定のツボがある。まず、雨戸いから雨漏りする事から話しは始まる。アルバロ君は部下を一人連れてきて、壁をぶち抜いて配管を交換する事にした。その間、アルバロ君は仕事をせず、部下にやらせている。配管が上下階までダメになっているとわかるや、その住民に交渉に行くが、断わられ、憤慨して自分も帰ってしまう。部下が来ない日は、アルバロ君自身は仕事をしないので、当然、全く、全々、まるっきり進まない。工具はなんと上司がもってくるらしい。その上司がもってこないと、やっぱり進まない。
 と、いう風に、時間と人手をかけて、しかも依頼人はその分、工賃を取られて、やっと一つの事ができるのである。ここで、そんな日本は嫌だと言ってはいけない。なんせ、アルバロ君が仕事をしないことで、部下の雇用が確保される。工具を持ってきてくれる上司は、邪魔な中間管理職なんて言われなくて済む。アルバロ君は余裕を持って、配管計画を練る事ができる。それが良い仕事かどうかは別だが。とにかく、日本ならひとりで済んでしまいそうなところに、3人も関わるわけだから、その分雇用が確保され、経済が安定するのは、間違え無い。しかし、ここで、工賃を3人分も取られたらたまったもんじゃない。という意見も聞こえてきそうだが、大丈夫だ。あなたも1日でできる仕事を3日でやるのだ。あなたの会社もひとりでできる仕事を3人でやるのだ。

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(C)2001 Richard Feynkid