お知らせ

お詫びをさせて下さい。

 このたびは、私たち三菱自動車工業株式会社、ならびに三菱ふそうトラック・バス株式会社のリコールにかかわる一連の事態につきまして、多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 また、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の方々に衷心より重ねてお詫び申し上げます。
 毎日、みなさまから、厳しいお叱りの言葉をいただいています。その声の中で再出発をすることの意味を、全社員が重く重く受け止めています。そして、自動車という乗り物をつくることの責任を、自分たち自身に問い直しています。もう一度信頼される自動車会社になるために、私たち三菱自動車が何を始めているのかについて、みなさまにご報告をさせて下さい。

 過去、私たちが引き起こした2000年の「リコール隠し」事件について、お話をさせて下さい。
 私たちは、このたび、特別調査チームをつくり、徹底した内部調査を行いました。これ以上みなさまにご迷惑をおかけしないように、また社内浄化なくして再出発はないという強い意志で、さかのぼれる限りの関連文書を調べあげました。その調査の内容を、ご報告させていただきます。
 私たち三菱自動車は、2000年に「リコール隠し」事件を引き起こし、当時の社長が辞任する事態に陥りました。その際、過去の膿をすべて出し尽くした、と申し上げていました。ところが、実際には1998年4月までの約2年分のデータしかさかのぼっていなかったのです。本年6月、新経営陣の就任にあたり、さかのぼれる限りの過去のデータを洗い出しました。特別調査チームをつくり、会議の議事録から販売会社に残されていたデータまで、確認できたすべての資料約60万枚(約13万件)を一つ一つ調べ直しました。述べ4,000人、約3ヶ月(述べ40,000時間)にわたる作業でした。その結果、本来ならば2000年当時に「リコール届出などの市場措置」を行うべきであったにもかかわらず、届出を行わず「指示改修」という処置で済ませていたものが、明らかになりました。いわゆる「ヤミ改修」と、みなさまよりお叱りを受けたものです。これらについては、法規に基づき、適切に対処してまいります。三菱自動車にお乗りいただいている方をはじめ、多くのみなさまの信頼を裏切ってしまったことを、深くお詫び申し上げます。なお、2000年の「リコール隠し」事件以降は、「指示改修」が行われていないことが、改めて確認できました。また、「リコール隠し」事件の根本原因については、社外弁護士を起用し、三菱ふそうトラック・バス株式会社と共同でさらなる調査を続けています。できるだけ速やかに原因を明らかにし、調査結果を公表します。そして、再発防止の具体的な行動を起こすことをお約束します。

 とにかく一日も早くリコール対象車の無償修理を急ぎます。
 そして、みなさまに少しでも安心していただくことが、今はいちばん重要であると考えています。
 まず私たちがしなければならないことは、責任を持ってリコール対象車を無償修理し、みなさまの不安を取り除くことに他なりません。そのために、現在、販売会社とともに、連日全力で作業を進めております。リコール対象車にお乗りのみなさまには、ご迷惑とご面倒をおかけいたしますが、どうか一日も早い無償修理にご協力下さいますようお願いいたします。
 私たちは、2000年以前の不具合に対して、「リコール隠し」という許されない行為をしてしまいました。同じ過ちを繰り返さないために、もう二度とみなさまにご迷惑をおかけしないために、三菱自動車が変わらなければならないことは、たくさんあります。たとえば、安全・品質管理については、社外の方々の目で、厳しく見ていただきます。また同じ目で、三菱自動車全社員の行動については、厳しく指導していただきます。私たちのどんな言葉も、いまは信じていただけないかもしれません。だからこそ、行動を見ていただくよりない、と考えています。


いま始めていることをご報告させて下さい。

 「隠しごとをしない自動車メーカー」に、なります。
 法を守る。企業倫理を守る。この二つのことが守れない企業や社員に自動車をつくる資格はない。まず何より、この考え方を、社内に徹底します。
 6月29日、新経営陣全員が「誓約書」を提出しました。「コンプライアンス(法令・企業倫理遵守)第一」の考え方を、三菱自動車の企業活動の最上位に置くという誓いです。今後、この誓約に反する行為をした役員は、直ちに解任をします。また、社員に対しては、すでに企業倫理啓発教育プログラムを行っております。その成果は、社外機関による企業倫理の浸透度調査で確認をしていきます。こうした活動の状況と成果は、社外有識者の方々からなる「企業倫理委員会」に報告をします。社外の厳格な目で、企業倫理が遵守されているかを指導していただきます。

 まず目指すべきは、「安全な自動車メーカー」です。
 そのために「4重チェック」の安全・品質管理に改めました。もう二度と隠蔽が繰り返されないために、多くの人間の目でチェックをする新しい体制に改めました。
 「安全第一」と言われる自動車メーカーになるために、「4重チェック」を徹底します。「PX(Product Executive)」と呼ばれる車種担当責任者を置きます。PXは、一つの車種のカーライフ全般にわたり、責任を持って監視の目を光らせます。第二段階は、「品質統括本部」です。いままで4つの部門に分散していた品質保証関連部門を一つにまとめ、品質管理の専門部門としました。各部門から完全に切り離し、社長直轄の組織にすることで、それぞれの部門の利害や甘えが品質保証に一切入り込まない体制になりました。第三段階のチェックが、「CSR(企業の社会的責任)推進本部の品質監査部」です。ここでは、上記「PX(車種担当責任者)」と「品質統括本部」のチェックが十分に機能しているかを、さらに監査します。最終的に、この監査結果を、「企業倫理委員会」に報告します。これが第四段階です。三菱自動車の社内チェックだけではなく、社外の方々の厳しい目で指導していただきます。
 三菱自動車は、安全性と品質の向上に、とにかく必死で向き合います。そういうクルマづくりを続けることで、もう一度信頼していただける自動車会社を目指します。

 「お客様の厳しい声を大切にする自動車メーカー」に、なります。
 厳しいご意見や苦情こそ、大切にします。安全に対する不安の声や不具合に関するお問い合わせが、必ず、経営トップ、開発部門、製造部門、販売部門のすべてに正確に伝わるように改めました。
 お客様からの安全に対する不安の声、不具合に関するお問い合わせに、きちんと向き合っていなかった。それが、リコール隠しという過ちを犯してしまった原因の一つでした。まず三菱自動車に対する厳しい声を、きちんと受け止める。その役割を「CSR(企業の社会的責任)推進本部」が担います。お客様の声、投資家の方々の声、社員の声が、開発、製造、販売のすべての部門の隅々まで、そしてなにより経営のトップに正しくフィードバックされる組織に改めました。言ってみれば、一つの小さな声も、三菱自動車全体の課題となるような組織に改めました。新しい三菱自動車は、クルマづくりの原点に「お客様の厳しい声」を置きます。また、三菱自動車の情報は、「CSR推進本部」が責任を持って、みなさまに発信します。私たちは、「お客様第一」の会社を目指します。それは、「お客様の厳しい声をいちばん大切にする自動車メーカー」になることであり、「お客様にきちんと情報を公開する自動車メーカー」になることだと考えています。

 ここでお話をしたことは、改革のほんのスタートに過ぎません。私たちの取り組みは、まだ始まったばかりです。私たちが、もう一度信頼される自動車メーカーになれるかどうかは、三菱自動車が、これから何をするのかに、かかっています。三菱自動車が、どこまで変われるのかに、かかっています。私たちは、覚悟をして、三菱自動車という会社を、つくり直します。クルマをつくることが本当に好きな社員一人一人の手で、もう一度、三菱自動車を、つくり直します。安心して選んでいただける自動車メーカーになるまで、ただひたむきに、クルマづくりをつづけています。

 私たちの話を聞いてくださったみなさまに、深く感謝をいたします。今後も新たにどんな取り組みを始めたのが、改革はどこまで進んだのか、どんな成果が上がったのかなど、事実をきちんと、みなさまにご報告をしていきます。

三菱自動車工業 株式会社
代表取締役会長 岡崎洋一郎
代表取締役社長 多賀谷秀保

 弊社が虚偽報告の罪(道路運送車両法違反容疑)で起訴されている公判が行われています。今後は、司直の判断を見守りたいと思います。ただし、弊社がこれまで表明してきました「リコール隠し」事件への謝罪と反省、再発防止についての考え方を変えるものではありません。また、ご遺族に対し、誠意をもって対応させていただくという気持ちには、いささかも変わりありません。


リコール対象車の無償修理に、ご協力をお願いいたします。

 大変ご面倒をおかけいたしますが、まだリコール対象車の修理がお済みでないお客様がいらっしゃいましたら、お近くの三菱自動車販売会社へご連絡を下さいますようお願い申し上げます。なお、リコール対象車をご使用いただいておりますお客様には、弊社および三菱自動車の販売会社から、ダイレクトメールなどにより直接詳細をご案内させていただいております。また対象車に該当しているかどうかは下記弊社ウェブサイト、あるいはお客様相談センターフリーダイヤルでもご確認いただけます。

無料車両点検を実施しております。

 リコール対象以外の車にお乗りいただいているお客様にも、安心してお乗りいただくために、20項目の無料車両点検を実施しております。まだお済みでない方は、ぜひお近くの三菱自動車販売会社にご連絡下さい。

お問い合わせ先
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/japan/
お客様相談センター
フリーダイヤル:0120-324-860(日本国内のみ)
受付時間:9:00〜19:00(10月末まで)、9:00〜17:00(11月以降)
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